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法事の関係で、GWぶりに地元に帰ってきている。

前に大工さんの話を書いたが、この大工さんの小さな逸話を一つ紹介したい。

大工さんがある日、私の部活の集合写真を見て
「お姉ちゃんのとなりの子、ちょっと脆い子だね」と言ったことがある。


それは中学3年生ごろの出来事だが、私はバドミントン部に所属してた。

地区一番を争っていたのが私ともう一人、ナツミという女の子だった。

彼女は負けず嫌いで努力家だったが、精神のある一角がとても脆い女の子で、部活を中学3年生の秋に引退すると、
不登校だった不良児と付き合ってからまともに家に帰らなくなり、煙草を吸うようになり、のちに進学した高校を辞めてしまった。
若気の至りといえばその程度のもので、今は普通の女性だ。

ナツミは私に懐いていた。
ナツミと私は、いつも地区のシングルスではワンツーだったし、私たちがペアで組むダブルスも負けなしだった。
スポーツで育んだ信頼関係は強かった。

ナツミ社交的なほうではなかったので、部活の引退と同時に急速に変わりゆく彼女は、クラスでどこか腫れ物扱いにされるようになり、それがまた本人が悪いことをしてしまうことに拍車をかけていたのだが、
誰かを傷つけたりはしなかった。問題なのは自分を傷つける存在にはまってしまったことだ。


思い出したのは、今回、実家に帰って自分の部屋に飾ってあった部活の写真を見たからだ。
当然、ナツミも写っている。言わずもがなだが、ナツミのことなんか大工さんは知らない。

「写真は嘘をつかない」と例の大工さんは言った。

この時すでに、先の記事にも書いたような死んだ父と大工さんのアレコレがあってから、
彼の説明のつかない能力について完全に信じている頃である。


改めて書くと長いので省略するが、
「死者は喉が乾くから、お姉ちゃんの喉の渇きは代わりにされている。仏壇に水をあげなさい。遺影も変わってくるよ」と言ったのだった。


そこまで言われるとオカルトめいてきてしまう。

確かになにか悪いことをした日は怒っているように見えるし、何かをやり遂げた時に遺影を眺めると力強く笑っているようにも見える。たまに帰ると優しそうに見える。落ち込んでいる時は悲しんでいるようにも、見える。

が、それは私の心が映し出されているだけにほかならない。

私は零感だから、写真の変化などわからない。しかし大工さんの話は、ナツミとの写真の一件に裏付けられるように
たしかに変わっているのだろうとは思う。
見られている。こちら側の思い込みではなく、きっと実際に。

父を参るとき、いつも緊張する。釈迦や仏を前に嘘はつけない。
背筋を伸ばし手を合わせる時はいつも、父が首からぶら下がっていたあの映像を思い出す。

死んだ父に目を合わせ、胸を張って生きれていると笑えるだろうか。目をそらしたくなるようなことをしていないだろうか。
父の遺影がもし実際になにか変わっているとしても、私はそれを視ることはできない。

大工さんの言った「写真は嘘をつかない」といったのとはきっと違う。けれど、自分の心の陰影に合わせて父の表情が変わって見えるのは本当だ。

私は大工さんのその言葉に「自分の心に嘘はつけない」というのと重ねて、朗らかに笑う父の遺影を見る。
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村山由佳さんについてまたしゃべる。

一冊の本について長い文章にしたためることができるのは、
私のツイッターでも時折登場するセックスフレンドの〈彼〉も村山由佳さんの大ファンであり(二年前を始まりに布教)、
ああでもないこうでもないと、〈彼〉と感想を言い合うことができるので
好きな作家さん、およびその作品がより深まっていくからです。

嫉妬深いので、SNS上などで村山由佳さんファンというひととは一線引いてしまう。
私の方が好きなんじゃ!と謎の主張が顔を出してしまう恐れがあるためである。
ジャニーズやアイドルに傾倒したことはないが、私はきっと“同担拒否”のタイプだ。


カテゴリでは書評などと銘打っているが、
そんなたいそうなことはできないので、〈彼〉と感想を言い合ったことも交えて、
村山由佳さんの現在の最新刊『燃える波』について綴っていきたいと思う。


が、その前に。

以前ツイッターでも突然140字プレゼンをすることとなったが
村山さんの生み出す言葉には節々に、命あるすべてのものに対する愛が感じられる、ということを前述しておきたい。

命あるもの——だけではないかもしれない。

これは例の〈彼〉と事後、ピロートークでほぼ毎回のように村山さん談義になるのだが、その時にたどり着いた私たちなりの結論がある。
当然だがご本人がそのつもりかどうかはわからないから、あくまで独断であることを断っておく。

命あるもの。人間を筆頭に動物、植物などに対する愛というだけでは、まだ足りない。
たとえば、人が人を愛することに対する、愛。信仰へのある種の愛といえばいいだろうか。

けれど、もっと先をゆく。ここからは愛というより敬愛、敬慕、畏敬、畏怖となってゆくと思うけれど、
たぶん恐れてはいないから畏怖ではないかもしれない。上記の言葉の中からなら、敬慕が近いと思う。

命あるもののみならず、目に見えない力、人知の及ばない力などがこの世界にはあると思うのだけど、
命あるものとこれらを含めて、〈彼〉と私の二人は「循環するもの」ととりあえず言葉に置き換えた。

村山由佳さんが見ている世界の、「循環するもの」に対する敬慕。

たとえば、水から土へ、土から木へ、命へと循環していくもの。そこからさらに派生する、命から命への繋がり。
そうしたいわば「摂理」を村山さんは五感で感じ、実感として感じられないものが仮にあったとしても信じ、
等身大の感受性で筆を動かすことで
ただごとではない描写からなる小説の数々を生み出している。

村山由佳さんは恋愛作家か。
初期作品「天使」のシリーズや「おいコー」シリーズのときには、そうだったかもしれない。
私はそのあとからの作品を最初に読んでいるので、村山さんを誰かに紹介するときに「どんなの書く人?」と問われると困ってしまう。
恋愛作家、と紹介すると「恋愛か〜あまり読まないんですよね」と敬遠してしまう人も多いので、
まてまてまてぇーい!と引き止めたい。そんな人にこそ読んで欲しいのだ。
ちなみに〈彼〉は、生粋の司馬遼太郎のファンであり、恋愛小説は手に取ったことのない歴史小説の読書家だった。

そんな〈彼〉のお気に入りは「遥かなる水の音」と、あろうことか、めくるめく官能描写が連続する「ダブル・ファンタジー」である。

初見の人にどのように紹介すれば正しくプレゼンできるか、
いまだに答えが見つからない。何も言わずに「ワンダフルワールド」を押し付けておく。
ちなみに村山由佳といえば「ワンダフルワールド」!というわけではないのだが、
これは短編であるし、言うなれば村山由佳さんの名刺となる作品だと私は思っている。

ところで最新刊「燃える波」。(以下ネタバレ含む)
村山由佳さんの作品にはしばしばモラハラ夫が登場するのだが、今回のモラハラっぷりもすごかった。
これも村山さんの凄いところなのだが、小説を読んでいるというよりむしろドラマを見ているような真に迫りっぷりなのだ。
文章を読んでいて、つまずくことがまずない。映像としてありありと目に浮かんでくる。

ラジオ番組の収録から始まる物語では、まさにラジオを聴いているようなところからスタートさせてくれる。
物語を読むというより、中にいるようなリアルな感覚なのだ。
作中で「声だけなのに、テレビ番組よりも親密」といった趣旨のことが書かれているが、深夜、何か作業をしながらラジオパーソナリティの声が聞こえてくるような錯覚を起こすほどである。

話がそれたが、モラハラ夫の話である。

今作の滑稽さはスゴかった。

主人公で妻である帆奈美を散々その支配下で苦しめ、最低限夫婦としての礼儀や尊敬を放棄。
自身の浮気まで妻のせいにして、愛人には子どもまで身篭らせ、最後には妻に縋り付き、突き放されるとついには発狂する始末。
絵に描いたような(というと妙だが)最低な男だった。

そんな仕打ちを受けながらも帆奈美は自分の力で最後立ち上がるが、男は違った。やがて帆奈美に子どもの存在を指摘されると
散々泣き喚いたあとに(きっとなっさけない顔をこちらに向けて)、「そこなんだよ、どうしたらいいかな?」と一言。
器の小さい20そこそこの小娘である私には、最高に気持ち悪かった。男の情けなさや滑稽さを許容できるほど、まだ大人になれないらしい。

完全に帆奈美に感情移入してしまい、最後、どのようにこの最低男をコテンパンにやっつけてくれるのだろうかと期待したのだが、
さすがは大作家村山先生だった。
さあ、やっつけてしまえ!とどこか高揚さえしていた私とは(当たり前だが)違い、帆奈美の答えはこうだった。
「せめて生まれてくる子供のために、しっかりしなさい!」

愛があったのである。

ちなみに〈彼〉は、
「でも、これは最低なモラハラ夫と帆奈美(そしてそれを生み出す村山さん)との、人間性の格差が出る対比でもあるから
元夫に対する毒もあるかもしれませんよ」と述べていた。なるほど、そういう見方も確かにある。

けれど最後、離婚のあれこれの際の元夫の描写でも彼は謝罪を口にしていたし、人物を描く上でやはり愛があるのが村山さんだと思った。
もし、この元夫のモデルとなる人物がいるのならば、村山由佳さんはその人物を許しているのかもしれない。ここは完全に想像だが。


細かい話だが、「燃える波」というタイトルも、どこかチープな感じがしていい。大作家先生だからこそ、単純さを映えさせることができると思う。


〈未熟なのではなく、未知数〉
〈いい仕事の妨げになる存在は——邪魔だな。〉カリスマ的大女優の、これらのセリフもよかった。
村山由佳さんが過去に言われたことがあるのか、彼女の中から生まれてくる言葉なのか、気になるところである。



本は〈彼〉に貸し出ししているので細かいセリフなどは違っていると思うが、また深夜の勢いで長々と書いてしまった。

「もう、村山由佳さんが好きなのはわかったから……あなたテスト前でしょ」と心の中でもう一人の自分がため息をついている。が、諦めて去った。




一週間ほど蝦夷梅雨とやらが続いています
この日本で今晴れ間の見えているところはあるのでしょうか。
昔読んだり観たりしたお伽噺って、こどものころに観たものっていう印象があって、
すりかわって子供騙しなものって私は思いがちなんですけど、
改めてかんがえてみると七夕伝説ってけっこう素敵なお話ですよね。

さて。

ブログ用

読書垢、みなさん真面目なんだなあと思いました。わたしは人の好きな作家とか作品あまり興味ないので、
あと自分が所属している界隈のことどう思ってるんだろう……と下世話な興味をもっていたりするので、
読書垢界隈についてが多数になるかなあと思いました。まあ僅差だけど
わたしとしては好きなもののことを書けばいいのでやりやすいんですけど、

どうせなので大いに布教活動させていただきたいと思いますね!


〈 好きな作家・作品について 〉

私は圧倒的に村山由佳さんが好きです。熱狂ファンです。なので彼女の作品についてが中心になると思いますが、
できるかぎり興味を持ってもらえるように簡潔に書いていければと思いますね〜〜(簡潔に出来るかな〜〜)

私もずいぶん前に読んだ本とかあるので、とりあえず本棚から出してきました。
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惜しいなーあの有名な〈おいコー〉シリーズとか、ここにない何冊か、絶賛布教活動中で今人に貸してるんですよね
口頭説明になりますがこのへんも紹介していきたいんですね

ひとくちに村山由佳さんといっても、たとえば小説すばる新人賞の〈天使の卵〉およびシリーズ四作品や、
〈おいしいコーヒーのいれかた〉シリーズなどから、ここ最近の作品ではかなり違ってきていて、
それを支持するファンや読者層もかなり違うと思います。

私はどちらかといえば後期作品のファンで、〈おいコー〉シリーズなどはあまりぐっと来なかったりしているんですが、
初期のファンのひとたちは、「最近、村山由佳ってどうしちゃったんだろう……」という反応を見せています。

ここまで書いてなんですが、独断と偏見に満ちているのでそのつもりで読んでもらえると幸いです。
ただ、めちゃくちゃファンなので参考にくらいはなると思っております。。。


村山由佳さんは「恋愛小説家」というイメージが一般的で、これは最初の頃の〈天使シリーズ〉や
〈おいコー〉シリーズだとそう言えます。
とっつくやすくて、セックスや愛憎みたいなものがどろどろしていない
綺麗な恋愛作品。

いわゆる「お涙頂戴」系、「感動する!」という作品が好きな人たちは、
このあたりが好きだと思います。 たとえば、最近だと、佐野徹夜さんや住野よるさんファン、というかたには、
〈おいコー〉はちょっと多いので、〈天使のシリーズ〉がおすすめです。


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『天使の卵』⇨『天使の梯子』⇨『天使の柩』の順番で、『ヘブンリーブルー』は物語に沿った
スピンオフみたいな感じなので、読まなくても大丈夫。
また、1作品ずつ完結しているので、どれかだけ手に取っても物語はわかります。


天使のシリーズやおいコーシリーズは、私は最近の村山さんの作品を読んでから
『ファンたるもの』という強い意志で過去作品も読んだけれど、ぐっとこなかった……最近のが好きだ……
と思っているので、いわば管轄外。ここから本番です。

***

村山由佳さんは確かに恋愛作家だけど、それだけではとくに最近では言い表せなくて、
顕著なのは今年の3月に観光した『風は西から』
この作品なんかは完全に社会派小説になっていて、恋愛要素はほとんどなく
過労自死の真相を恋人と家族が追い、大手居酒屋チェーンを相手取って闘う、というお話です。

本人は(たぶん)明言していませんが、下敷きは十年ほど前(?)のワタミ過労自殺事件になっています。
物語もほぼまんま。もちろん〈実話をもとにしたフィクション〉でしょうから、小説は小説ですが
ニュースを見るよりも考えさせられます。
ご本人は政治的な立場をとるような発言は控えていらっしゃるけれど、
最近の「働き方改革」に合わせて刊行した部分もあるんじゃないかな、と思います。

ワタミの社長は自民党の参議院議員ですね。
村山さんはきっと強く思想を持っていると思いますが、小説を通して社会に訴えかける姿勢、作家の鑑だなあ、と思います。

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ところで、たとえば「おすすめの作品教えてください!」とツイートしたときに、
リプライ10くらいきたうち、全部はなかなか買うまで至らない。
この本買ってみようかな、と思うのは、〈こうこうこういう作品ですよ〜〉っていうざっくりした説明と、
その作品を“私に”どうして今教えてくれたのか、というところだったりします。
「どろどろした恋愛読みたい」とか、「気になるけどどれから入っていいかわからない」とかその人のニーズを考えて
いちおう考えます。


というわけで私が村山由佳さんどれ読んでいいかわからねー!っていう人におすすめしたいのは、
〈 ワンダフル・ワールド です

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ひとつは、短編だから。
もうひとつは「ここ最近の」村山さん作品のベースとなるもの・色が詰め込まれているのがこれかな、と思うからです。

村山由佳さんの最大の特徴(独断)かつ私がもっとも尊敬している点として、
『命の尊厳を描いている』のが彼女の作品。刊行の裏側に 3.11 東北大震災があります。

かといえ震災のことを主として描いているわけではないので、重さは全然はありません。

うまく言えないんですが、普段は無意識下にある感情の機微ってだれにでもあって、
たとえば、恋人に「ブス」とかって面白半分でからかい続けられると、最初は笑って流していても
あまりやられると小さくイラっとするようになる、みたいなことあると思うんですが、
「笑って流していられる」ところから「うざいな」と思うようになるその瞬間を取り出して書いてのけるのが
村山由佳さん。

私の拙い語彙では、彼女の素晴らしさを伝えることができないのがもどかしいです。

以下は引用。昔別れた恋人と会うことになり、東北の森林を二人で散歩し、セックスをしたあとの描写。

〈 腕と脚を私に巻きつけたまま、やがて健やかな寝息をたて始めた彼の隣で、私も目を閉じる。
  まぶたの裏側に木漏れ日が透け、木々の葉にさっきまで眺めていた町の人たちの写真が重なる。
 
 近く夢と、遠ざかる現(うつつ)のはざまで私は、自分の身体から何本もの新芽が生え、光へ向かって帯びてゆくのを感じた。おそろしいほどの昂揚と快感だった。 〉



 愛した人とのセックスのあとの描写を、身体から新芽が生えて伸びてゆくだなんて書ける人は、村山さんしかいないだろうと思いますね。

 
 「ワンダフルワールド」は比較的ライトで、ファンタジーがちょっとだけ顔を覗かせたりしていて、
上記のようにセックスの描写もあるし、でもどろどろしていないのでとっつきやすいと思います。
ぜひここから入ってみてほしい。そして村山ワールドに太ももまで突っ込んでもらえたら嬉しい。


***


あとは私の好みの話になります。

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『遥かなる水の音』(表紙の好みで文庫買っちゃった)
『ダンス・ウィズ・ドラゴン』

大好きな二作。何度も読んだのに、読むたび発見がある。※重大なネタバレあり

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〈 遥か深くを流れる水の音と一体になって、懐かしいひとたちのもとへ帰る。——還る。〉

村山さん作品ではしばしば〈死者〉〈輪廻転生〉〈前世〉といった概念が登場しますが、
わざとらしさや不自然さがゼロ。
大切な人をなくしたひとの救いになる部分はあるんですけど、「きっとお空から見守ってるよ」みたいなことではないんですよね。

これは〜ワンダフルワールドだったかな、著書の一節に

〈 そう——生と死とを分かつ境界線は、人が思うほど太くない。死は、つねに生のすぐそばにある。 
  けれど、それは同時に、こうも言い換えられはしないだろうか。 
  死せる者は、生ける者のすぐそばに在り続けるのだ、と。 〉



私なんかは霊感みたいなものはないと思うけど、父が死んだ後、彼が寝ていた部屋へ向かう足音を聞いていた時期があったり、このブログにも書いたように、死した人の喉の渇きを感じていたりしたことがあったから
こういう考え方がすっと落ちてきたのもある。

遥かなる水の音と、ダンスウィズドラゴンの二作、タヒチと真珠や宝石がテーマに敷かれた恋愛小説「ありふれた愛じゃない」、イルカと音楽が題材となり、ストレスで声を出せなくなった少女の話「青のフェルマータ」
ちょっとどろっとする「ラヴィアンローズ」は大人の恋愛小説として、それぞれ万人ウケすると思う。


最近WOWOWでドラマ化した『ダブル・ファンタジー』とその続編の『ミルクアンドハニー』は、半分(以上)自伝的な小説だと思うので、村山さんファンでなければ若干入って行きづらいかもわからない……
ダブルファンタジーはずいぶん叩かれたらしい。ガンガン不倫するからかな。わかんないけど。

どろどろした恋愛小説で読みやすいのは『ラヴィウアンローズ』『花酔ひ』あたりかと思う。


彼女の描く最近の恋愛作品は必ずといっていいくらい「不倫」するけれど、そこに至るまでの経緯とか、
その先にあるものとか、またそれを倫理的に制すことができる第三者的立場の存在があって、
いわゆる“ポルノ”にならないのが、村山作品。

また、たとえば『ありふれた愛じゃない』はシャーデーの歌だったり、『風は西から』もそうですね、明日は、きっといいぜ〜のあの歌。
『ミルク・アンド・ハニー』は旧約聖書の〈乳と蜜が流れるところ〉。約束の地ですね。その前のダブル・ファンタジーはジョンレノンとオノヨーコのアルバムからきているはず。
『ラヴィアンローズ』はフランス語で薔薇色の人生という意味ですが、作中では愛憎の末、殺人がおきます。ぞくぞくっ

こんなふうに、タイトルにひとひねりあるのも彼女の作品の魅力。実在の音楽なんかがあると親近感が湧きますよね。

***


まとめると、

感動する作品が好き!どろどろは苦手!というひとは『天使シリーズ』
とっつきやすくて面白いの!というひとには『ワンダフルワールド』『ありふれた愛じゃない』『青のフェルマータ』、
ここに幻想やファンタジー要素を+した『遥かなる水の音』『ダンスウィズドラゴン』もおすすめ。
大人の恋愛小説なら短編で『アダルト・エデュケーション』、さらに『ラヴィアンローズ』『花酔ひ』


このどれかでハマったら、最近の『嘘』や『ダブルファンタジー』『ミルクアンドハニー』もいいと思います。


***

どっこも簡潔にならなかった……もっと書こうと思えば書けるんですが
さすがにもうやめておきます。気になったらリプライかDMください。めっちゃプレゼンするんで……。

ドロドロしたものがほとんどない初期の「恋愛小説家」村山由佳さんは、ご自身の色をどんどん濃くされ、

今度は戦前の婦人解放活動家(最近の言葉でいうならフェミニスト?)である、
「伊藤野枝」さんについての小説を書くと仰っていました。

今年の刊行はなんと決定しているだけでも4冊。長編小説ですよ……なんて勢い……。
今後もますます注目して行きたいと思います。歴史小説もちょっと好きなKuroなので、
伊藤野枝さんのお話がとても楽しみです。


以上でした。感激のあまり涙ドバー(´༎ຶོρ༎ຶོ`)した講演の時の写真おいておきます。笑ってください。

読んでくれている人時々いるみたいなんですけど、コメントとか拍手もらえたらちょっと喜びますので
ポチってしてほしいです!!
ではおやすみなさいませ!!!読んでくれた人ありがとうございました

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つづき。


母が「あんたすごい水飲まない?」と言った時点で。

毎日まいにち、尋常じゃない量の水を飲んでいたんだけど、喉が乾くと言うだけで体に悪いところは全くないし、
部屋に水を常備していたことは母も知ってはいただろうけど、特に気には留めていなかっただろう。
なんども言うが、異常なのは
「喉の渇き」だけ。

しかもこれが、たとえば砂糖たっぷりのジュースを異常に飲みたがるとかだったら多少心配にもなるかもしれないが、
飲みたいのは水である。
裏付けになるかわからないけど、確かに毎日部活で汗をながしていたけど、3リットルは飲みすぎだし、
運動による水分不足なら体が欲しがるのは、ミネラルや糖分を含んだものではないか。


例えるなら、お酒をバカみたいに飲んで寝て次の日を迎え、
やっべえ飲みすぎた喉乾いた死ぬ〜〜〜みたいな感じを想像してくれればいいと思う。
あれが毎日原因不明で続く感じ。


母がそう言った数日後、大工さんと顔を合わせる機会があった(たぶん大工さんは私と話す機会を伺ってた)。

前の記事で、当時付き合ってた彼氏とのことがありちょっと追い詰められてた、みたいなことを書いたけど
それについて深く触れることはせず、Tさんは

「お姉ちゃんね、ちょっといろいろあるみたいだから」 というに留まった。

本題はもっぱら異常な喉の渇きについてだった。


前も少し書いたけど、自殺や事故、殺人など、イメージとして”天寿を全う”と言えないような亡くなり方をした人は、
喉が乾くのだということ。

私は父の代わりにその分の水を飲まされているのだということ。

なぜ私なのかは知らない。自殺の現場を見たとか色々考えられることはあるけど裏付けできるようなことじゃないし、
なんというか特に理由なんかはないようにも思える。

あんなに水を欲する死者たちの苦しみはちょっと……頂けない。

だから、毎日仏壇に水をあげるように、と言われた。一杯でいいから、と。
3ヶ月あげていれば、おさまるよ、と。

それから毎日水をあげるようにして、大工さんが言ったよりももっとはやく、
1ヶ月もただずして、ある日ピッターーーーーーと喉の渇きが止んだ。
この経験というか感動というか、どのようにすれば文字にして伝えられるかわからないんだけど
当時の状況でいうとあり得ないんだ。
死ぬ思いであんなに欲してたのに、ある日突然止むなんてことはありえない。

この話を読んだ人は色々想像すると思う。懐疑的な捉え方もすると思う。もっともだ。

多感な時期で、大人に(しかも普通ではない人)言われて、仏壇に水をあげるとか行動することで
潜在意識によって止んだんじゃないかとか、たまたまだろうとか。

断じてない。根拠なんか示せないけど、ない。ないとしか言えない。

そもそも、私の部屋はリフォーム範囲外だったから、部屋に入ることもそんなにはなかったはずで、
あったとして、部屋に水が置いてあることをそんなふうに疑問に思って、そんな作り話をするだろうか。
それでお金をとるわけでもないのに。


それから。

「水場に霊が集まりやすい」という話をきいたことはないだろうか。
海とか、川とか、滝とか。
ここまで書けばお分かりだろうけれど、そういうことだそう。


その話が終わったあとも色々、なんかもうここからは細々とした話になるが
私たちが面白がるので、大工さんの『霊感ショー』である。
それはもう色々あるから、べつの記事で思い出しながら書こうと思う。

たとえば。

霊というのは水と、塵と、少しの電気(?)でできているらしいのだけれど、
たとえば「事故多発地点」みたいなところ、それはまあ地形や造りの問題もあるのだろうけど、
信号機が狂うことがあるらしい。

地縛霊、とかそんな言葉を使うと一気に胡散臭くなるので別の言い方はないかとおもうところだけど、
いわゆるそういう存在がやることがあると。「電気」を帯びているから。


この辺の話の信憑性は正直私はなんともいえないが……。

この人が本当に「そういう」力があったことは私の中では動かない事実なんだけど、
たとえば大工さんにしたって人間だし、ちょっと話を盛ったり、自己解釈を話すこともあるだろう。

あるとき、霊感で金儲けをする人は偽物、と言ってたことがある。
テレビに出ているひとだ。

「お姉ちゃんがもし、道端で困っているおばあさんがいた時にお金をとって助けようとは思わないでしょ?」と。
しかしながら、お金をとって助けようとする人も世の中にはいるはずだ。と私は思った。

そういう意味で、この大工さんが言っていることが全て正しい、と盲信していたわけじゃない。


それから別の話で、しかも後出しになるが、この体験の前にも一度「ん?」と思う出来事があったことがあった。
私は自分に霊感なんてものはないのだけど、父が死んだあと、たしか四十九日も経たない頃。


引っ越してくる前の家では、2階に寝室があり、階段をのぼってまっすぐの和室では父の寝室、
登って左の洋室には母と、私たち兄弟三人が寝ていた。

父が死んだ後……直後ではない。

父が眠る時間、だいたい22時くらいの時間、いつもだいたい決まった時間だったが
階段を
とん、とん、とん、とんと上がってきて、ふすまを開けて閉める音(サーッ、サーッみたいな)
ある時期に聞いていた。

母も兄弟達も隣でまだ起きているような時間に、まぎれもなく、誰かが和室に入っていく音を聞いていた。
幼いから、怖い、と思ったけど同時に、父だろうな、と思って受け入れてた。


このことは祖母に話すと
「イメージ作り上げてしまうんだねえ」と、幼き心の傷ゆえ、としていたけれど、
あれも幻想だったとは思っていない。


たとえばこの記事を読んだひとの身近に、「あまり綺麗とは言えない」亡くなり方をした人がいたら、
是非にも水を上げて欲しい、と思う。

上記のことは余談だが、水のことについて、身を以て体験してしまったので、
この時から私はそういうものの存在を信じている側の人間だ。


私の中では「信じている」というのも違和感があって、例えば今私の目の前に友達が座っているとして、
友達が目の前に座っていることを「信じている」とは言わないように、
「そういうもの」もあたりまえに存在するものとして、生きている。

こんばんは。
前回までで、父の自殺から葬儀・火葬まで。
そして父が工場勤めの家族は社宅住まいだったため、働き手がいなくなったあと、中古の家に引っ越ししたところまで
したためました。

暗い話は終わります。ここからは、幽霊とか前世とか気功(だとおもう)とかそういう話になっていくので、
というかこのタグではそれがメインなんだけど
興味ある人はぜひ。本当にあったことを書いているだけなんですが、胡散臭く聞こえるかもわかりません。
私も改めて思い出したいので、記憶を追いかけながら書いていこうと思います。


我が家のリフォームに入ってくれた職人さんは二人。
若手(30代くらい?)の男性と、それからおばけみえるひと。50歳くらいの人かな。
わかりやすくTさんにします(2ちゃんの怖い話で有名な、寺生まれのTさんからもらっておく笑)



その家に引っ越したのは小学6年生の春過ぎくらいで、リフォームは中学生のうちだったと思っていたのだけど、
今思い出してみると高校1年のクラスメイトに、「リフォームで入ってくれてる大工さんが変!」と楽しく話していたし、
仲良くなった高校の部活の子を家に連れて来た時もその大工さんはいたので、
中学3年〜高校1年くらいにかけての話かもしれない。あんま覚えてない。

ただ、なんやかんやと2年くらいかけてのリフォーム期間だった


職人さんのお仕事は平日朝9時頃〜18時くらいまでだった。
Tさん(若手の人から見たら先輩にあたるのかな)は、土日も時々来てた。


大工さんが家に仕事に来る前に私は学校に行っていたし、
部活が夜遅かったので私が帰る頃には彼らは仕事を終えて、すでに家にはいなかった。

だから顔をあわせる機会といえば部活が休みで夕方すぎに家に帰って来る日か、
土日、Tさんが家にきていたときか、そのくらい。


高校は電車通いだったため、(しかも1時間に一本あるかどうかの超ド田舎)
家に帰って来ても話すような時間がたくさんあったわけではない。
それにお仕事中なわけだし、なるべく邪魔にならないように自分の部屋にこもってた。

『入ってくれてる大工さん、なんか変な人なんだよ』と、母がおもしろそうに時々話していたから、
『おばけみえるらしい』くらいの認識だった。そういうことがとりわけ、嫌悪感に繋がったりすることはなかった。
半信半疑ではあったけど。

ただ、うちはミニピンちゃんを飼っていたんだけど、
知らない人が家の前を通るだけできゃんきゃん鳴き続けるようなしつけのなっていない駄犬(笑)で、
家に知らない人がいようものなら、喉から血でるよ?ってレベルで吠え続ける子だったんだけど、
この大工さんには吠えないどころかクゥ〜〜〜〜ンと媚びるものだから
こればかりは驚かざるを得なかった。

関係ないけど字ばかりのブログなのでティーちゃん(♀)あげとく。
tea

きゃわ!!!!(操作オンチなので画像サイズいじれない)


ある日、『変な大工さん』を目の当たりにする出来事があった。

そして今思い出したんだけど、私は当時高校1年生で、同じバドミントン部の2つ上の先輩と付き合ってた。
トータルすると私が悪いんだけど、この時期、自分が悪いなりに色々追い詰められていた。

主観でしかないが、女性にモテるという感じのひとではなく、まっすぐ、誠実、まっすぐすぎてたまに空気読めない人で、
でもそれでもやっぱりすごくいい人だったんだけど、
私は同じだけの気持ちを持たずに告白されるがままに付き合ってしまったので、愛が重かった(完全に私が悪い)

彼さんはセンター試験を目前にしている時期だった。
けど、私もまだ子どもで(いまもそうだけど)、
「俺のことすき?」みたいな問いに「好き」と言ってあげられることができず、不安にさせたと思う。
彼の方も勝負に出たようで、センター試験のたぶん1ヶ月前くらいに「俺のこと好きですか」とメールしてきて
ひいぃぃいぃって感じだったんだけど、そのときなりに色々考え、もう好きじゃない旨を返信し、風呂へ逃亡。

あがって携帯を見ると、メールと着信がぶああぁああなってた。
それから電話に出て、6時間くらい電話した(半分沈黙)

結局その電話では決着がつかず、次の日に持ち越し。


その日、私と同期の女の子に彼さんが相談したらしく、その子曰く、私と何月なん日どこでなにをした、みたいなのを
ルーズリーフに裏表びっしり書き出していたとのこと。
ゾッとしてしまったのは正直なところなんだけど、どう考えても私が悪かったので、なんともいえなかった。


という出来事の真っ只中だったので、そんな権利はないかもしれないが追い詰められてた。
(しかしながら、先輩のほうが追い詰められていたであろうことは言うまでもない)


こんな話なので家族に話したりなんかしないんだけど、ある時お母さんが軽い感じで、
「お姉ちゃん(私のこと)がちょっと追い詰められているって、大工さんが言ってるの」と言うので驚いた。
その頃は四六時中そのことを考えていたので、思い当たる節どころかピンポイントだった。

それともうひとつ。

大工さんがリフォームに入るよりもっと前の時期から、喉が渇いて渇いて仕方がない時期があった。

それはもう尋常なものではなく、1,5Lのペットボトルを自分の部屋に5本くらい常備しとくレベル。
飲んでも飲んでもおさまらないので、机の下とベッドの横においておいて、すぐ手に取れるようにしてた。
コップに注ぐわけなんかなく、ラッパ飲み。1.5のペットボトル2本以上は必ず飲んだ。


「あとあんた、すごい水飲まない?」「え……めっちゃ飲む……」

「お父さんがね、あんまり綺麗とは言えない死に方でしょ。そういう人って喉が乾くから、あんたが代わりに飲まされてるんだっていうから」

まじかよ!!!!!非現実的だけどなんか合点だわ!!!!

と、思わざるを得ないくらい毎日のどの渇きに苦しめられていたので、納得してしまった。


そのことがあってから、私は大工さんと初めてきちんとお話しすることになる。


とりあえずここまで。続きはまた次の記事で書きます。